なぜポジティブフィードバックが人間関係を激変させるのか?エンジニアが実践して分かった効果と方法
こんにちは、たにーです。
突然ですが、あなたは最後にいつ、誰かから「ここが良かった!」って言われましたか?
逆に、最後にいつ、誰かに「ここが良かった!」って伝えましたか?
実は私、つい最近まで圧倒的に後者ができていない人でした。
エンジニアという職業柄、コードレビューやバグの指摘、改善点の議論には慣れていたものの、良いところを積極的に伝えるということを全然やっていなかったんです。
でも、ある出来事をきっかけに「ポジティブフィードバック」の重要性に気づき、意識的に実践するようになってから、職場の雰囲気もプライベートの関係性も劇的に変わりました。
今日は、そんな私の体験を通して、なぜポジティブフィードバックが大事なのか、どうすれば自然にできるようになるのかを、具体的にお話ししていこうと思います。
赤ペン先生症候群から抜け出せない私たち
レビュー文化が染み付いた思考のクセ
エンジニアの皆さんなら共感してもらえると思うのですが、私たちって 「問題を見つけること」 にめちゃくちゃ長けていますよね。
コードレビューでは「ここのロジックが冗長だよ」「このエラーハンドリングが不十分」といった指摘をサクサクできるし、仕様書を読めば「この部分の定義が曖昧」とか「エッジケースが考慮されていない」みたいなことがすぐに目につきます。
これ自体はとても大切なスキル だと思います。問題を早期発見することで、品質の高いプロダクトを作れるからです。
でも、この「悪いところを探す」思考が日常生活にまで染み付いてしまっている人、結構多いんじゃないでしょうか?
100点の時の「よくできました」が欲しかった
子供の頃を思い出してみてください。
テストで間違った問題には赤ペンでバツ印がついて、間違いの理由も丁寧に書かれていましたよね。でも、100点満点を取った時はどうでしたか?
「よくできました」のハンコや先生からの一言が、すごく嬉しかったはずです。
これって大人になっても同じで、問題点を指摘されることには慣れているけれど、良いところを認めてもらえると、それが予想以上に心に響くんです。
でも現実はどうでしょう?
「バグもないし、パフォーマンスも問題ない。よし、OK!」
こんな風に、悪いところが見つからなかったから良し、という判断をしていませんか? これだと、せっかくの良いところを見逃してしまっているんです。
良いところを伝える意識改革の始まり
同僚からの一言が変えてくれた価値観
私がポジティブフィードバックの大切さに気づいたのは、ある同僚からの一言がきっかけでした。
当時、新しいAPIの設計を担当していて、それなりに頑張って作ったつもりでしたが、レビューでは「ここの命名規則が統一されていない」「このエンドポイントの設計がRESTfulじゃない」みたいな指摘ばかり。
正直、ちょっと凹んでいました。
そんな時、チームリーダーが私にこう言ってくれたんです。
「たにーさんのAPI設計、エラーレスポンスの構造がすごく分かりやすくて、フロントエンドとの連携がスムーズに進んでるよ。あと、ドキュメントも丁寧で助かってる。細かい指摘はあったけど、全体的にはとても良い設計だと思う。」
この瞬間、世界が変わりました。
指摘された部分はもちろん直さないといけないけれど、良いところもちゃんと評価してもらえている。これが分かっただけで、修正作業も前向きに取り組めるようになったし、次の仕事への意欲も湧いてきたんです。
自分も実践してみた結果
この経験をきっかけに、私も意識的にポジティブフィードバックを実践するようになりました。
例えば、コードレビューの時。今までなら「ここのエラーハンドリングが不十分」とだけ書いていたところを、こんな風に変えました。
「この部分のロジックがとても分かりやすくて、仕様理解の深さが伝わってきます!一点、エラーハンドリングの部分で〜〜のケースも考慮していただけると、より堅牢になると思います。」
結果的に、指摘の内容は同じなのに、受け取り方が全然違う ということを実感しました。
ポジティブフィードバックを習慣化する具体的な方法
さて、ここからは私が実際にやっている、ポジティブフィードバックを自然にできるようになる方法をお伝えします。
1. 物事を「良い・悪い」の2軸で捉える習慣をつける
まず大切なのは、 意識的に良いところを探すクセをつけること です。
私は毎日の振り返りで、以下のようなフォーマットを使っています:
今日のレビュー・評価ポイント
- ✅ 良かったところ(最低3つ)
- ⚠️ 改善できそうなところ(最低1つ)
例えば、チームメンバーのプレゼンテーションを聞いた後なら:
良かったところ
- スライドの構成が論理的で、話の流れが分かりやすかった
- 複雑な技術的内容を、非エンジニアにも理解できる言葉で説明していた
- 質疑応答で、想定していなかった質問にも的確に答えていた
改善できそうなところ
- 時間配分で少しオーバーしてしまった部分があった
こうやって意識的に良いところを3つ以上見つけるようにすると、今まで見えていなかった相手の努力や工夫に気づけるようになります。
2. 「伝える」ことを前提に観察する
良いところを見つけても、それを相手に伝えなければ意味がありません。
「これは後で本人に伝えよう」 という前提で物事を観察すると、より具体的で相手に響くフィードバックができるようになります。
例えば:
- 「頑張ってるね」→「昨日のバグ修正、原因特定が早くて助かりました。ログの読み方が上達してますね」
- 「いいアイデアだね」→「その発想はなかった!ユーザー目線での気づきが、仕様の改善に直結しそうです」
具体性があると、相手も「ちゃんと見てくれているんだ」と感じられます。
3. 関係性づくりから始める
いきなりポジティブフィードバックを始めても、相手が戸惑ってしまうことがあります。
特に日本の職場では、急に褒められると「何か裏があるのかな?」と警戒されてしまうこともありますよね。
だからこそ、まずは 「お互いに良いところを認め合える関係性」 を築くことが大切です。
私がやっているのは:
チーム内での価値観の共有
- 定期的な1on1で「最近嬉しかったことや、認めてもらえて良かったこと」を聞く
- レトロスペクティブで「今スプリントで良かった点」を必ず話し合う
- 「問題点だけでなく、良い点も積極的に伝え合おう」という文化を明文化する
こうやって土台を作っておくと、ポジティブフィードバックが自然に受け入れられるようになります。
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実践してみて分かった驚きの効果
相手だけでなく、自分自身も変わる
ポジティブフィードバックを意識するようになって、一番驚いたのは 自分自身の変化 でした。
良いところを探すクセがつくと、物事を多角的に見られるようになります。
例えば、以前なら「このコードは処理が遅い」で終わっていたところが、「処理は遅いけれど、コードの可読性が高くて保守しやすい。パフォーマンスの改善方法を一緒に考えてみよう」という風に、バランスよく評価できるようになりました。
チーム全体のモチベーション向上
これは本当に実感したのですが、ポジティブフィードバックが飛び交うチームは 明らかに雰囲気が良い です。
- ミーティングでの発言が増える
- 新しいアイデアを提案する人が増える
- 失敗を恐れずにチャレンジする文化が生まれる
- 結果的に、プロダクトの質も向上する
良いところを認めてもらえると、人はもっと良いものを作りたくなる んです。これって当たり前のようで、意外と見落としがちなポイントだと思います。
判断基準が洗練される
そして、良い・悪いの両方の視点で物事を見るようになると、 自分の行動基準や判断基準がどんどん洗練されます。
「なぜこれが良いと思うのか?」「どういう基準で評価しているのか?」を言語化する機会が増えるからです。
これは技術的な判断だけでなく、キャリアの選択や日常生活の決断にも良い影響を与えています。
プライベートでも使える!日常生活での実践法
家族やパートナーとの関係改善
ポジティブフィードバックは、家族やパートナーとの関係でも威力を発揮します。
例えば、パートナーが料理を作ってくれた時。今までなら「美味しい」で終わっていたところを:
「この味付け、すごくバランスが良いね。特に〇〇の部分が絶妙で、お店の味みたい。作るの大変だったでしょ?ありがとう。」
具体的に何が良いかを伝えることで、相手の努力や工夫を認識していることが伝わります。
友人関係での活用
友人との会話でも、意識的に良いところを伝えるようにしています。
「その服、色がすごく似合ってるね」 「さっきの話、すごく分かりやすかった。説明が上手だよね」 「いつも前向きな考え方で、一緒にいると元気もらえる」
こういった小さなポジティブフィードバックが、関係性をより深めてくれます。
明日からできる!3つの簡単ステップ
さて、ここまで読んでくださったあなたも、きっと「やってみたい」と思ってくれているのではないでしょうか?
でも、いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずは、以下の3つのステップから始めてみてください:
ステップ1:今日1つだけ、良いところを見つける
まずは1日1つだけ、誰かの良いところを意識的に見つけてみましょう。
同僚でも、家族でも、電車で席を譲ってくれた知らない人でも構いません。 「あ、これは良いな」と思った瞬間を意識すること から始めてみてください。
ステップ2:見つけた良いところを、1つでも伝える
慣れてきたら、見つけた良いところを相手に伝えてみましょう。
最初は「ありがとう」「助かった」といった簡単な言葉でOKです。 大切なのは、相手の行動や努力を認識していることを伝えること です。
ステップ3:具体性を意識する
「良い」「すごい」だけでなく、 何がどのように良いのか を具体的に伝える練習をしてみましょう。
この3ステップを1週間続けてみてください。きっと、周りの反応の変化に気づけるはずです。
まとめ:ポジティブフィードバックで人生を豊かにしよう
長くなりましたが、最後に私からのメッセージです。
ポジティブフィードバックは、相手のためだけのものではありません。
良いところを見つける習慣は、あなた自身の視野を広げ、判断力を向上させ、人間関係を豊かにしてくれます。何より、毎日がより楽しく、充実したものになります。
エンジニアとして培った「問題を見つける力」に加えて、「良いところを見つけて伝える力」を身につけることで、あなたの価値はさらに高まるはずです。
明日からあなたも、ポジティブフィードバックを実践してみませんか?
きっと、想像以上の変化を体験できると思います。
もし実践してみて何か変化があったら、ぜひコメントやSNSで教えてくださいね。あなたの体験談も、誰かの背中を押すきっかけになるかもしれません。
それでは、今日も良い一日をお過ごしください!